「 NPO グリーンツーリズムネットワークセンター」

小林事務局長にインタビュー(1/2)

グリーンツーリズムって何ですか?

いろいろな意見や学説があるのですが、ここでは個人的に思っている事を述べさせて頂きます。

グリーンツーリズムとは田舎に行って、その地域にしかない食べ物や人に出会い、楽しむ旅だと考えています。そして、自然やそれと折り合いをつけながら暮らす人達に触れる事で、自分自身を振り返ってみる事が出来るのがその醍醐味だと思います。

小林さん自身にそのような体験があったのですか?

 そうです。 群馬県にある上野村へ民間療法を体験するツアーに行った時のことです。そこで出会った林業を営む N . K さんに衝撃を受けたのです。
  彼は、仲間達が次々に都会に出て行く中、「次の世代のためにここで頑張っているんだ」という話をしました。せいぜい子供のことや、一年先のことぐらいしか考えていなかった、私は感激のあまり、涙を流しそうになりました。次の世代に責任を持って生きている姿がとても気高くて、美しく見えたのです。自然と一緒に生きている人にはそういう思いが強いように思えます。

それはどうしてですか?

 都会にずっと住んでいると色々なことを忘れてしまいます。例えば、毎日の食事。どこかの生産地が不作になっても他の地域から送られて来るので、それに対する危機感は薄くなります。揃えようと思えば何でも揃ってしまう。作ろうと思えば何でも作れてしまう。すると食べ物に対するありがたみやその重要性が薄れてしまいます。
 
  でも農村の方は天候によって作物が取れなくなれば、生活が傾いてしまいますし、作物や木材をつくるにはとても時間がかかります。それを逆算しながら暮らさなくてはなりません。そうして厳しい自然と折り合いをつけながら暮らすことで、次の世代のことがごくごく自然に、当たり前のこととして考えられるのだと思います。

  そして、それが本来の人間の姿だと思うのです。「自分も自然の一部である」という当たり前だけどとても感じにくくなった大前提を、自然と共に暮らす人々との交流を通して取り戻すことが出来ると思います。

そうした交流が出来る旅がグリーンツーリズムなのですね。

そうです。グリーンツーリズムといっても幅が広いのですが、私たちはそういうものを目指しています。

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