
―お店の名前の由来は何ですか?
フラワーアレンジメントの世界では、大きく分けて二つのスタイルがあります。女性的なロココスタイルと男性的なヴェゲタスタイルです。そこからとって Rococo としました。
― Rococo の特徴って何ですか?
これも 3 つあります。 1 つ目は、デザインについてです。私は 『繊細さと上品さ』 を大切にしています。具体的には 3 色以上の色は使わず、グラデーションで色彩を出ようにしています。これは感性の問題になってくるので難しいのですが、私は 3 色以上つかうと上品さに欠けると考えています。だから色の種類を多用せずに、中間色を使ってグラデーションで美しく上品に仕上げます。でも要望があればそれにお応えしますよ。

2 つ目は、 『光触媒』 です。うちにあるアーティフィシャルフラワーには特殊な加工をしています。この加工をした花に光をあてると“抗菌や消臭”をしてくれます。実際、忙しくてこの店でインスタントフードを食べたことがあるんですが、そのにおいは翌日にはすっきり消えていました。効果は実証済みです(笑)。
3 つ目は 『ブライダル』 が得意です。ブライダル業界でずっと仕事してきたキャリアがあります。ブライダル雑誌にも掲載されました。出版社との仕事で結婚式場の会場の庭をアーティフィシャルフラワーでバラ園にしたこともあります。特にブーケが得意です。何か御用の際は是非。
―店舗以外のお仕事もされているのですか?
はい。ブライダル関連の仕事を中心に、企業から仕事を請け負っていますし、ネットショップも開いています。もともとここはアトリエとして使うつもりでしたが、大家さんの勧めで店舗として開きました。
―なるほど。失礼かもしれませんが、ここは人通りが少ないので心配になったのです。

そうなんです。よく近所の人にも言われます。「何でここなの?」って。私にとっては 「ここで開いちゃいけないのですか?」 って逆に聞きたくなるくらいです。でも実際、店舗の方の売上はなかなかきびしいです(笑) 皆さん買って下さいね(笑)
―ここに店舗を構えた理由はなんですか?
アトリエとしてどこかいい物件はないかなと探していました。実際にここに来てみてこのレトロな空間に惹かれました。
このまちはきっとこのままがいい。 だから、内装はこの物件の持ち味を活かそうとしています。見てください、そこの扉(入り口)いまどきこんなレトロな扉ないでしょう!しかもこれわざと荒削りヤスリをかけて味を出しているんです。
―すごいですね。実際にお店を開いてみてどうですか?
たまに発見されると 「何でこんなところに店あるの?」 っていうどよめきは良くききます(笑)
お店に来るお客さんは多くはないですが、ありがたいことに、一度来て頂くと リピーターになって下さいます。 それだけでなく、他のお客さんを紹介してくれたり、お家まで行って要望にあったものをつくったりすることもありました。
アーティフィシャルフラワーは扱っている店が少なくて、多くの方はわざわざ遠方のデパートに買いに行かれます。しかも高いんです。だから近いし、そこそこの値段で買えるうちに来てくれるです。
―最後に読者へのメッセージをお願いします。
「造花」ってイメージを変えたいんです。生花をずっと見てきたその目でいいものをセレクトしてちゃんとしたもの用意していますが、一輪売りもしています。デパートに行かなきゃ買えないなんていう高いものではなくて、 まちのお花屋さんにふらっと立ち寄って買いに行く感覚で、お店を一回のぞいてみてもらいたいな。
